はちみつぱい１９７４年

１　噫無情
　はちみつぱいは、あがたのアルバム「噫無情」（ベルウッド　ＯＦＬ－２２　１９７４年３月２５日）に参加しています。

壱

一　蒲田行進曲’７４／かしぶち（ｄｓ）、岡田（ａｃcordion）、矢野誠（ｐ）、武川（ｆｉ）
二　永遠のマドンナＫ／松本隆（ｄｓ）、細野晴臣（ｂ）、慶一（ｐ）、矢野（ｏ）、武川（ｆｉ）
三　キネマ館に雨が降る／松本隆（ｄｓ、ｃｏｎｇａ）、細野（ｂ）、慶一（ｐ）、矢野（ｅｐ）、武川（ｆｉ）、駒沢（ｓｔｇ）
四　組曲　噫無情／松本（ｄｓ）、後藤次利（ｂ）、岡田（ｐ）、鈴木茂（ｅｇ）、矢野（ｓｐinet）
五　星のふる郷／かしぶち（ｄｓ）、鈴木博文（ｂ）、慶一（ｐ）、岡田（ｅｐ）、武川（ｅｇ）、矢野（ｃｈｅlesta、ｅｌectone）

弐

一　元祖ラヂオ焼／松本（ｄｓ、ｃｏｎｇａ、ｃｏｗｂell、ｖｏｉｃｅ）、細野（ｂ）、武川（ｃａｂａｓａ、ｆｉ、ｖｏｉｃｅ）、岡田（ｇuｉｒｏ）、茂（ｅｇ）、和田（ｂｏｎｇｏ）、あがた（ｒａｐｐａ）、博文（ｃｏｗｂell、ｖｏｉｃｅ）、慶一（ｃlavinet、ｖｏｉｃｅ）、駒沢（ｖｏｉｃｅ）
二　上海リル／かしぶち（ｄｓ）、博文（ｂ）、慶一（ｐ）、岡田（ｅｐ）、武川（ｆｉ）、矢野（mellotron）、松本（ｃｏｎｇａ）
三　はいからはくち／かしぶち（ｄｓ）、博文（ｂ、ｃｈｏ）、慶一（ｐ、ｃｈｏ、ｅｇ）、岡田（ｅｐ、ｃｈｏ）、武川（ｇuｉｒｏ、ｃｏｗｂell）、松本（ｇuｉｒｏ、ｃｏｗｂell）、本多（ｃｈｏ）、駒沢（ｃｈｏ）
四　モンテカルロ珈琲店（小さな喫茶店）／かしぶち（ｄｓ）、博文（ｂ）、慶一（ｐ）、岡田（ｅｐ、ａｃcordion）、武川（ｆｉ、ｈａｒmonica、ｇｇ）
五　月曜日のＫ／かしぶち（ｄｓ）、博文（ｂ）、慶一（ｐ）、岡田（ｅｐ）、矢野（mellotron）、駒沢（ｓｔｇ）
六　最后のダンス・ステップ（昭和柔侠伝の唄）／松本（ｄｓ、ｃａｂasa）、博文（ｂ）、かしぶち（ｐ）、岡田（ａｃcordion）、武川（ｆｉ）、慶一（ｏ）
七　大寒町／松本（ｄｓ、ｃａｂasa）、細野（ｂ、ｇ）、慶一（ｐ）、矢野（ｏ、ｓｐinet）、岡田（ａｃcordion、ｇuｉｒｏ）、駒沢（ｇ）、武川（ｃａｂasa、ｆｉ、ｖｏｉｃｅ）、博文（ｃｌa）
八　テレビヂョン／岡田（ａｃcordion）、慶一（ｐ、mellotron）、武川（ｆｉ）

（左から）岡田徹、あがた森魚、緑魔子、武川雅寛、鈴木慶一

２　風都市閉鎖
　春に、はちみつぱいとあがた森魚の所属事務所「風都市」が閉鎖されます。風都市所属のアーティストは、トリオレコードでショーボートレーベルの制作責任者だった松下典聖が作ったＩＢＳが一義的に引き受けることになります。はちみつぱいのマネジメントは、石塚幸一がＩＢＳに間借りする形で行います。
　あがたは９月１日に渡辺プロに移籍します。

３　ワーナーパイオニアに移籍、シングル「君と旅行鞄」発売
　はちみつぱいは、ベルウッドからワーナーパイオニアに移籍します。
　ワーナーパイオニアからシングル候補として「ぼくの倖せ」を求められ、はちみつぱいが希望した「酔いどれダンス・ミュージック」は売れないといわれＢ面になりました。しかし、慶一は「ぼくの倖せ」をそのままやるのは嫌だと、松本隆に作詞を依頼しますが気に入らず、自分で詞を書き直しタイトルを「君と旅行鞄」にし、６月２５日にリリース（Ｌ－１１９３Ｅ）されます。このレコーディングのエンジニアは大瀧詠一が担当しています。君と旅行鞄は、渋谷の有線放送では上位にランクインします。

Ａ　君と旅行鞄
Ｂ　酔いどれダンス・ミュージック

作詞：渡辺勝・鈴木慶一（Ａ）、鈴木慶一（Ｂ）
作曲：松本圭司（Ａ）、鈴木慶一（Ｂ）
編曲：はちみつぱい

鈴木慶一：リードボーカル、キーボード
武川雅寛：ヴァイオリン、パーカッション、ボーカル
本多信介：リード・ギター
岡田徹：キーボード
駒沢裕城：ペダル・スティール
和田博巳：エレキ・ベース
カシブチ哲郎：ドラム

Ｓｐｅｃｉａｌ　Ｔｈａｎｋｓ　ｔｏ
吉田美奈子、宮悦子、大貫妙子

ディレクター：知久悟司

（上段左から）駒沢裕城、武川雅寛、カシブチ哲郎、鈴木慶一、和田博巳、岡田徹、本多信介

（左から）鈴木慶一、和田博巳、カシブチ哲郎、岡田徹、駒沢裕城、本多信介、武川雅寛

（左から）武川雅寛、カシブチ哲郎、岡田徹、鈴木慶一、本多信介、駒沢裕城、和田博巳

（左から）本多信介、武川雅寛、鈴木慶一、岡田徹、駒沢裕城、カシブチ哲郎、和田博巳

１９７４年８月８日「ワンステップ・フェスティバル」
（左から２番目から）本多信介、駒沢裕城、カシブチ哲郎、鈴木慶一、武川雅寛、和田博巳

ワンステップ・フェスティバルの模様

４　芸能界の仕事
　セカンドアルバムの制作も念頭に置くようになります。当時のライブ演奏を聴くとポップさ、楽しさを増し、まさに乗りに乗っていますが、一方で生活のために芸能界の仕事もやるようになります。８月にアグネスチャンのバックバンドを担当し、９月に松尾和子のショーし出演します。そこにメンバー間で意識の違いが生じたようです。

アグネス・チャンショー　
８月２７日～２９日（日本劇場）
他の出演者：植田芳暁、団五郎、ビトー＆コンソレーション、ストリング・ファンタジック・オーケストラ

せんちめんたる浅草　松尾和子　芸能生活15周年記念
９月１１日～１７日（国際劇場）
他の出演者：あがた森魚、猫（１１～１４日）、なぎらけんいちと葛飾区かんけり仲間（１５日～１７日）、ザ・キング・トーンズ、早野凡平（１１～１５日、１７日）、せんちめんたるクインテット、深田浩一とゴールデンゲート、松竹歌劇団

５　駒沢裕城脱退
　１０月に、駒沢裕城が小笠原諸島へ行ってしまいます。業界的仕事などに落ち込んだということです。駒沢が脱退し、はちみつぱいは大きく揺らぎます。サウンドも確立し、営業的にも期待でき、前途も明るいと思っていた矢先のことでした。完成されたサウンドがスティールギターが抜けることで崩れ、それだけでなく、バンドとしてのタガが外れ、いろいろ不平不満が出るようになります。

６　椎名和夫加入
　椎名和夫（ギター、ヴァイオリン）が加入します。彼は、本多信介の友人で、はちみつぱい、吉田美奈子、南佳孝らの音楽仲間でした。はちみつぱいのライブでは、武川とのダブルヴァイオリンが披露されます。

７　はちみつぱい解散
　しかし、マネージャーの個人的事情なども重なり、結局、１１月２０日の「さきどりコンサート」（山野ホール。共演者：なぎらけんいち、いとうたかお、友川かずき）で、はちみつぱいは解散しました。「塀の上で」の途中で、慶一が「さよなら、ロックンロール少年、ロックンロール少女」とお別れをいいます。駒沢は、２か月ぐらい後に小笠原で、友達から解散の話を聞き泣いたということです。